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INTRODUCTION TO BIOSTATISTICIANS FOR JAPANESE

バイオスタティスティシャンは日本では生物統計家というが, その専門性は欧米における認知に比べあまり知られていない. そこでこのページでは, 生物統計家がどのような仕事をしてきたのかを日本語で紹介する. 次の"How to learn"ページでは, 関心を持たれた方に適した一般書も挙げている. 

Sir Richard Peto
Sir Richard Doll

 イギリスでSirの称号を得たこのお二人は、数多い生物統計家と医師のコンビの中でも卓越した業績を残している.

 1950~2000年にかけて疫学・臨床試験の基礎を築いた. 喫煙と肺癌の関係を明らかにしたことでも知られる. 

Jerome Cornfield

 アメリカを代表する生物統計家. まだ計算機がなく手計算するしかなかった1950年代に, 反復計算を要するロジスティック回帰という統計手法を開発した. 

 あまりにも忙しすぎて学位を取らなかったことでも有名. 

Dr. Nancy Dreyer


 この分野では女性も数多く活躍している. 製薬業界で最大手受託機関クインタイルズ社の副社長. 私が留学したノースカロライナ大学チャペルヒル校出身とのこと.

 2016年の日本薬剤疫学会では, “Growing Global Prominence of Real-World Research”というタイトルで特別講演をして頂いた. 

Dr. Norman  Breslow


 ワシントン大学元教授. 生存時間型のデータを解析するための統計手法の開発に貢献した.

 「魔法のような数学的手法があると, そもそもコントロールできないものを, コントロールできると考えてしまうところが危険なのだ」という名言に, 先生の哲学が感じられる. 

Dr. Isao Yoshimura

 東京理科大学元教授. 我が国の公害問題や医薬品評価において多大な貢献をされた. ICH E9「臨床試験のための統計的原則」のExpert Working Group日本代表.

 我々の世代は, 吉村先生に多くのことを学んだ. 良い教科書もたくさん書かれている. 

 生物統計学の教科書は, 古典的な教科書とは内容が異なる. 

 左の教科書では, 「第1章 統計学の基礎」から始まり, 確率変数や中心極限定理を解説した後に, 「第11章 推定」, 「第12章 仮説検定」, 「第13章 回帰分析」で終わっている. 

 右の生物統計学の教科書には, 医学に特化した内容が追加されている. 

 ・生存時間解析
 ・臨床試験デザイン
 ・メタアナリシス
 ・疫学の統計手法

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